グーグルが中国本土からの撤退を決定しオバマ米政権は今後、表現の自由という譲れない原則を貫きつつ、中国側の出方を見極めた上で対応を模索していく方針とみられる。
国家安全保障会議(NSC)のハマー報道官は22日、中国政府とグーグルの交渉決裂への失望を表明。そのうえで「インターネットの自由を支持し、検閲に反対する。表現の自由と情報への無制限のアクセスは、国際的に承認された権利だ」と強調し、中国側の情報検閲にクギを刺した。
米側は、クリントン国務長官が1月に「検閲は人権や自由の普遍的価値に反する」と中国を批判。その後も米政府の台湾への武器売却決定や、オバマ大統領とチベット仏教最高指導者、ダライ・ラマ14世との面会など追い打ちをかけた。 今月に入っても、米通商代表部(USTR)が9日に、中国のネット検閲を世界貿易機関(WTO)に提訴する可否について調査中だと発表。国務省も11日に発表した人権状況報告書の中で、中国のネット検閲などを批判している。
ただ、オバマ政権にとっては、核開発を進めるイランに対する制裁問題で、国連安全保障理事会の常任理事国として拒否権を持つ中国の協力が不可欠な情勢。米中関係の課題は山積しており、これ以上の関係悪化は避けたいのが本音だ。
このため、オバマ政権はこれまでも「米中は、見解の違いに耐えられるだけの成熟した関係だ」と強調しており、NSC報道官も「共通の関心事で協力関係を拡大しつつ、対立する分野でも率直に取り組んでいく」と、中国側との全面対決を避けたいとの意向をのぞかせた。
(産経)
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