舛添要一参院議員(61)が代表に就任した「新党改革」が23日、都内で結党会見を開いた。「国民の信頼をつなぎとめる唯一の政治家」「扇の要」と、所属議員からは舛添氏のPRが続いたが、舛添氏以外には売りがない党の現状を露呈した。さらに7月の参院選比例代表で使う党の略称を「ますぞえ新党」に決めたが、公選法に抵触するとして、急きょ白紙撤回するなど、“舛添頼み”の体質が、初日の思わぬドタバタ劇を生んだ。
約250人の報道陣を集めたお披露目会見。ピンクの勝負ネクタイの舛添氏は、最初に「代表」と紹介されると、満面の笑みでひな壇の中央に座った。党執行部批判を繰り返し、22日に離党届を出した際の硬い表情はなし。今後の政治活動で、選択肢の1つとして温めてきた「新党の顔」におさまった瞬間だった。
脇を固めた5人のメンバーも、自分より舛添氏を猛烈にアピール。ともに自民党に離党届を出した矢野哲朗代表代行は「自民党内で努力したが、執行部の批判勢力として窮地に追い詰められた。国民の期待に応える舛添氏を頂点に早く、日本に元気を取り戻したい」とかばい、荒井広幸幹事長は「国民の信頼をつなぎとめている唯一の政治家は舛添氏しかいない。改革のど真ん中にすえたい」「扇の要だ」と持ち上げた。この党が、いかに「舛添氏頼み」であるかを証明した。
しかし、その体質が初日から思わぬ波紋を招いた。
同党は、党勢拡大の第1関門となる参院選で比例代表で党の略称を「ますぞえ新党」にすることを、ここ数日の協議で決めた。しかし「代表者や候補者の名前、それが類推されるような名称・略称」を使えないと規定する公選法に抵触している可能性が発覚。「ますぞえ新党」は、急きょ「撤回」に追い込まれた。
党幹部は「舛添さんのキャラクターを押し出すのだから、異論は出なかった。ひらがなにすればお年寄りでも書きやすいという声もあった」と話す。もちろん比例票の上積みを狙っての表記だが、総務省は「氏名そのものとも解釈できる。受理は難しいだろう」と指摘。まぼろしの略称となりそうだ。新党結成までの準備期間が約10日と短かったことも影響したようだが、裏を返せば、急ごしらえの印象があらためて浮き彫りになった格好。新しい略称は、単純に「改革」に落ち着く可能性が高い。
新党は舛添ブランドを最大の武器に参院選に臨むが、小政党の場合、比例代表で1人当選するには、政党名票も合わせて100万票以上が必要。自民党から比例代表に出馬した01年は、158万票を獲得した舛添氏だが、07年出馬際は47万票にまで減った。「舛添一枚看板」に頼る改革新党だが、戦略の行方は未知数ともいえる。
(日刊スポーツ)
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