韓国の独立運動家、安重根(アンジュングン)が日本の政治家、伊藤博文をハルビン駅で暗殺して100年にあたる26日、ソウルで韓国政府主催の記念式典が行われた。
鄭雲燦(チョンウンチャン)首相や独立運動家の遺族ら約1200人が参席し、鄭首相は、暗殺事件が「民族の独立の意志を世界中に知らせた」と意義づけ、安重根を「民族の魂の表象だ」とたたえた。
安重根は韓国で、日本の植民地主義に抵抗した人物として英雄視されており、暗殺事件は「義挙」と呼ばれている。ソウルでは今月に入って安重根を主人公としたミュージカル公演や学術会議、遺墨展などの関連行事が続いている。ただ、国民の反応は冷静で、ブームや反日感情の高まりは見られない。
有力紙では、安重根が事件後、獄中で書き始めて未完成に終わった「東洋平和論」や裁判所での主張に着目し、「東アジア共同体」論の先覚者としてとらえる記事が目立つ。朝鮮日報は26日付の社説で、安重根は、韓国、中国、日本が「弱肉強食」の帝国主義を超克し、共同繁栄する道を追求したと評価。「3国共同銀行」の設立など具体的な提案をしていたと指摘した。
(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20091027-OYT1T00031.htm
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