麻薬取締法違反の罪に問われた俳優の押尾学被告(31)が経歴を詐称している疑惑が23日、浮上した。押尾被告は芸能界入りのきっかけを「20歳で米軍キャンプでライブをした時にスカウトされた」としており、この日の初公判でも同様の内容が述べられた。しかし、押尾被告をスカウトした人物はスポーツニッポンの取材に「17歳の時に不良グループのリーダーから紹介された」と明言。女性タレントとの写真を見せびらかしていたこともあったという。
押尾被告の経歴について述べられたのは、検察側の冒頭陳述。
「4歳から小学校までロサンゼルスで過ごし、帰国後、中学3年でブラジルへサッカー留学。ドイツ・ブレーメンの高校へ行ったものの、サッカーよりも音楽がやりたいと思い1年で中退。20歳で米軍キャンプでライブをした時にスカウトされた」と紹介された。
なんともドラマチックな芸能界入りだったが、実はこの経歴は押尾被告本人の言い分を基に作られたものだった。しかし、スポーツニッポンの取材ではデビューしたのは18歳ごろ。日本テレビで深夜に放送されたオムニバス形式の短編ドラマに出演した。
当時の所属事務所関係者によると、出会いは「渋谷、青山かいわいの不良グループのリーダーからの紹介」だった。東京都港区のホテルで会うと「不良丸出しでギラギラしていた中に光るものがあった。身長もあり、英語も堪能。松田優作を目指そうと話した」という。
当初は「音痴で漢字も読めない状態だった」ため、東京音楽学院と事務所で歌と芝居のレッスンを重ねたが「早く売れたいという野心が強く、礼儀作法と徹底した基本訓練にイラついていた」という。そして「レッスンに遅刻した時の言い訳などごまかしが目立った。世の中を甘く見ているところがあるのかなと思った。親御さんには自由奔放に育てられてきたようだったが、実のお姉さんは彼の危うさを当時から気に掛けていた」と振り返った。
事務所を辞めたのは2年半後。女性アイドルとの交際をひけらかすなどの問題行動もたびたび。「いつか何かするのではと心配していた」と関係者。「裁判ではウソ偽りのない真実を述べてほしい」と話した。
(毎日)
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