イエメンの日本人技師拉致にかかわったとされる地元部族のナジハ・アルハナク部族長が18日、朝日新聞の電話取材に応じ「イエメン政府に求めている獄中の仲間の釈放が実現しない限り、人質を解放しない」と強調した。事件が複雑化し、技師の拘束が長期化する恐れが出てきた。
アルハナク部族長は、イエメン政府当局との取引材料にするために外国人を狙った計画的犯行だったと認めた。
部族長によると、15日午後、首都サヌア北東約60キロの町アルハブで、銃で武装した部族民らが待ち伏せ。車で通りかかった日本人技師とイエメン人運転手を近郊の村に連れ去り、拘束した。「外国人がよく通る道であることは知っていた。日本人だとは知らなかったが、外国人の人質なら政府との交渉に使えると思っていた」という。
技師は拘束後3日が経過したが「食事やミネラルウオーター、たばこなどを提供し、客のようにもてなしている。元気に過ごしている」と強調した。
政府側に収監されているのは、この部族と近い部族に属する男性(22)。イラクで反米武装闘争に参加し、国際テロ組織アルカイダとの接点もあるとの疑いで、4年前に政府当局が拘束、収監したという。
17日の政府当局側との交渉では、技師の解放後、仲間を早期釈放するとの条件で合意がいったん成立した。だが、政府側はこれまでも約束をほごにしてきた経緯があるため、仲間の釈放と技師の解放は同時に実施するのが条件だと改めて要求したという。
(朝日)
http://www.asahi.com/international/update/1119/TKY200911180495.html
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