瀬戸内海の無人島を買いませんか――。中国財務局が、広島県呉市沖に浮かぶ国有地の島を一般競争入札で売却することになり、11日に発表した。「厳しい財政事情のなか、未利用地の売却を促進したい」と同局。財務省は「極めて珍しい」としている。
売りに出されるのは、大小二つの島から成る「三ツ子島」のうち、北側にある小さい方の島。同市音戸(おんど)町の西沖合約1キロにあり、周囲約580メートル、面積は約7600平方メートル。中央部の平地をはさんで南北両側に標高約20メートルの岩山があり、島全体は雑木で覆われている。付近はカレイやメバル、アジなどが釣れる好漁場という。
三ツ子島は1922(大正11)年ごろに旧海軍省が民間から買収。第2次大戦まで呉海軍病院の消毒所があり、軍艦内や乗組員に対し、伝染病の消毒などをした。南側の島は60年代に民間に売られ、メキシコから輸入した工業塩の在庫基地になっている。
島の周囲は船舶の往来が多く、海域は瀬戸内海国立公園に指定されている。
入札公示は15日。入札期日は来年2月9日。島の価値は現在鑑定中だが、確定しても公表しないという。財務局は「消毒液による土壌汚染や地下埋設物がある可能性がある。事前に十分説明したい」としている。問い合わせは同局呉出張所(0823・21・6411)。
(朝日)
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