東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)最終日は3日、神奈川県箱根町から東京・大手町までの復路5区間、109・9キロで関東の19校と関東学連選抜の計20チームが参加して争われ、往路1位の東洋大が通算11時間10分13秒で2年連続2度目の総合優勝を果たした。総合連覇は2002~05年まで4連覇した駒大以来。
◆層厚く 柏原の『貯金』温存
酒井監督の体が3度宙を舞った。昨年は元部員の不祥事のため自粛した勝利の儀式。「今年はどうしても胴上げしたかった」とエース柏原。2年連続の総合優勝で実現させ、「空を眺めていました。気持ち良かったです」と就任1年目、33歳の監督が感慨に浸った。
復路は後続に背中さえ見せなかった。1年の市川を起用した6区で2位に最も迫られたが、それでも約2分50秒差。余裕があった。柏原から「貯金を使っていいよ」と言われ気が楽になったという7区田中が区間賞の快走。2位との差を4分27秒に再び広げて勝負あり。復路のエース区間9区を任されたのは4年にして初めて箱根を走った工藤。その工藤も「重圧は感じなかった。つなげる意識で楽しく走れた」。
酒井監督が4月に就任すると、選手の故障を防ぐため血液検査や骨密度を測り食事も改善した。A、Bチームのグループ分けも撤廃。「誰でも箱根の優勝選手になれる」と競争意識を植え付け、戦力の底上げを図った。
メンバー選考では実績ではなく、いかにしっかりと練習を積んできたかを重視。箱根経験者で主将の釜石を不調を理由に16人の登録メンバーから外す一方で、工藤を大抜てき。柏原が5区でことしもつくる貯金を想定し、復路はその貯金による余裕を心身両面で生かす、酒井監督の計算通りの連覇だった。
今回出場した10人のうち4年は2人、3年も3人だけ。若手主体での連覇と柏原がいるあと2年を見据え、酒井監督は「もっと強くなる」。東洋大の黄金時代到来を確信しているようだった。
(東京新聞)
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