次女が石巻署に相談
石巻市清水町の南部かつみさん(46)宅で3人が刺され、2人が死亡するなどした事件で、自宅から連れ出された次女の沙耶さん(18)が、「(重傷を負った)知人男性と交際を始めたと誤解した(解体工の)少年から暴行される」などと石巻署に相談していたことが、捜査関係者への取材で分かった。同署の捜査本部は、元交際相手の沙耶さんを連れ回したとして監禁容疑などで逮捕した市内の解体工少年(18)が、事件を起こした背景として、こうした相談もあったとみて調べている。
県警の発表や友人らによると、沙耶さんと少年は2008年夏頃、友人の紹介で交際を始めた。今年に入り関係が悪化したとみられ、1月から2月9日までに同署への相談は6回あった。この数日前に暴行を受けたという沙耶さんは、10日に医師の診断書と被害届を同署に提出する予定だった。
事件は10日早朝、南部さん宅で男女3人が次々と刺され、南部さんの長女美沙さん(20)と石巻市立女子商高3年大森実可子さん(18)が出血性ショックで死亡、一緒にいた知人男性(20)も左胸などを刺され重傷を負った。
少年は、友人の東松島市の無職少年(17)とともに沙耶さんを南部さん宅から連れ出し、約6時間にわたり、同市や東松島市などを逃げ回ったとして逮捕された。解体工の少年は11日も、捜査本部の調べに対し、「俺は関係ない」などと容疑を否認しているという。
一方、大森さんが通っていた石巻市立女子商高で11日午前に行われた臨時学年集会には、3年生125人が出席し、黙とうをささげた。
同校によると、岡部正利校長は「卒業間際で進学先も決まっていた。彼女の無念さを考えると、言葉にならない。悲しみは大きいだろうが、大森さんの分まで頑張ろう」と話した。同校は12日から、事件による精神的なショックが大きいとして、学内にスクールカウンセラーを常駐させ、生徒の心のケアにあたる。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/miyagi/news/20100211-OYT8T01039.htm
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