政府は十一日の行政刷新会議(議長・鳩山由紀夫首相)で、各府省が「事業仕分け」の手法を取り入れて公開で予算の使い方を点検する「行政事業レビュー」の実施を決めた。閣僚ら政務三役が自ら無駄を削って財源の捻出(ねんしゅつ)を図ると同時に、政府が一丸となって事業仕分けに取り組むことで支持率を回復させる一石二鳥を狙う。 (後藤孝好)
会議では、独立行政法人(独法)や政府系公益法人を対象にした事業仕分け第二弾を四月下旬と五月下旬に行うことを決定。規制・制度改革分科会を新設して、環境や医療、農業といった分野で事業仕分けの手法も活用して規制改革を進める方針を確認した。
各府省に二〇〇九年度予算を総点検させるのは、刷新会議による事業仕分けだけで工面できる財源には限界があるからだ。
昨秋の事業仕分けは三兆円が目標だったが、確保できたのは約七千億円。仕分け対象外の類似事業を削り込む「横ぐし」も浸透しなかった。
事業仕分け第二弾は、対象を独法や政府系公益法人に絞った分、昨年以上に「削減額は期待できない」(枝野幸男行政刷新担当相)。このため、一一年度の子ども手当満額支給などマニフェスト政策の実行を目指し、概算要求に先立ち、各府省に「改革姿勢を競い合わせる」(枝野氏)ことになった。
政務三役が旧来型の予算要求だけでなく、率先して無駄削減に取り組む姿勢を示すとともに、自公政権下で成立した〇九年度予算の問題点をあぶり出し、民主党政権への国民の信頼を取り戻したいとの思惑もある。
枝野氏は記者会見で「それぞれの府省で、具体的にどう税金が使われているかが十分に把握できていない。税金の使い方を納税者の観点からしっかりと見直す」と強調。首相も刷新会議で「事業仕分け第二弾、第三弾と行いたい」と意欲を示した。
(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010031202000069.html
テーマ : 政治
ジャンル : ニュース