健康食品通信販売会社「やずや」(福岡市)が来春入社に向けた採用試験で、受験学生らに動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」に自己PRを投稿するよう指示し、うち1人の動画が閲覧できる状態になっていたことがわかった。同社はホームページに社長名のおわびを掲載。担当者は取材に「今後は動画を利用した採用活動を見合わせたい」と話した。
やずやによると、4月上旬、採用試験の3次選考で落ちた学生のうち、数十人に「再チャレンジ試験」を電子メールで案内した。面接官の間で人物評価などをめぐって意見が分かれたためという。
改めて本社で面接を実施すると、遠方の受験生に負担をかけるため、動画での再選考を決定。動画のテーマは「やずやへの思い」で、ユーチューブに投稿するよう指示した。
その際、同社は受験生に会社関係者のみ閲覧可能な「公開制限」をかけて投稿するよう指示。しかし詳細な説明をしておらず、投稿した十数人のうち1人がその方法がわからず、締め切りに追われる中で制限をかけずに投稿。一時的に誰もが自由に閲覧できるようになった。動画には、この受験生の実名と大学名のほか、友人と思われる人物の写真も含まれていた。同社はこの受験生に動画を削除するよう連絡し、投稿から約2週間後の24日に削除されたという。
やずやは同日、「ユーチューブを使い慣れていない受験生への配慮を欠いた」として謝罪文を掲載。この動画のコピーがインターネット上に出回ったため、一部の掲示板やブログで同社の選考方法に疑問を投げかける書き込みが相次いだ。この受験生が在籍する大学は同社に「コピー動画の完全削除に努め、こんなことが二度と起こらないようにして欲しい」と申し入れたという。
(朝日)
http://www.asahi.com/national/update/0426/OSK201004260073.html
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