訪米中の鳩山由紀夫首相は二十二日午前(日本時間同日深夜)、国連気候変動サミットの開会式で演説した。温室効果ガスの排出量を二〇二〇年までに一九九〇年比で25%削減する日本の新たな中期目標を正式表明するとともに、排出量に応じて課税する「地球温暖化対策税」の導入を検討する考えを明らかにした。発展途上国の温暖化対策に、資金と技術を支援する「鳩山イニシアチブ」も提唱した。
首相の国際会議での演説は初めて。野心的な国際公約を掲げることで、温室効果ガス削減に向けた国際枠組みの中で主導権を確保する狙いがある。ただ、新たな目標は経済活動の停滞要因にもなりかねず、国内の産業界などから反発も予想される。
首相は演説で「先進国は率先して排出削減に努める必要がある」と強調。「あらゆる政策を総動員して実現を目指していく決意だ」として、(1)国内排出量取引制度(2)再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(3)温暖化税の検討-を挙げた。
新たな国際枠組みに関しては「わが国のみが高い目標を掲げても、気候変動は止めることはできない。すべての主要国による、公平かつ実効性のある枠組みの構築が不可欠だ」と述べ、米国、中国、インドなどに参加を強く促した。日本の中期目標は、主要排出国の枠組み参加を「前提」とした。
発展途上国への支援については、効率の高い発電設備やバイオ燃料、エコカーなど日本の高い省エネ技術を背景に「これまでと同等以上の資金的、技術的な支援を行う用意がある」と表明した。
(東京)
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