民主「タイミング悪い」参院選前、自民は攻勢
民主党の輿石東・参院議員会長(73)が住む神奈川県相模原市相模湖町の自宅敷地の一部を巡り、農地の無断転用を禁止する農業振興地域整備法への違反が判明したことから、民主党内から今夏の参院選への悪影響や民主党政権のイメージダウンを懸念する声が相次いだ。一方、自民党など野党側は「国会議員の法律違反は許されることではない」と攻勢を強める構えだ。
輿石氏は今夏の参院選に3選出馬を表明している。問題の土地の所有者は輿石氏の義弟で、同市の農業委員会は義弟に対し農地に戻すよう行政指導していたという。輿石氏は12日、国会内で記者団に対し、「私のところには農業委員会から話は来ていない。だが、直せるところは直す」と述べた。
民主党県連の樋口雄一幹事長は「詳細が分からず、何とも言えない。個人的な問題だから、(参院選に)どの程度影響するかわからない」と言葉少なに語った。党関係者の1人は、鳩山首相の公設秘書による偽装献金事件を引き合いに、「このタイミングで、こういう話が出てくるのは良くない」と表情を曇らせた。
山梨県教職員組合(山教組)を出身母体とする輿石氏には、北海道教職員組合(北教組)による政治資金規正法違反事件の逆風も吹く。ある県連関係者は「北教組の件もあいまって、イメージ悪化につながるかもしれない」と参院選への悪影響を心配していた。
連立与党の社民党県連の中込孝文代表は「輿石氏は並みの国会議員ではない。政治を背負って立つ人は普段から法律にちゃんと対応しておくべきだし、今回の問題も1日も早く対応するべきだ」と注文を付けた。
参院選前の「敵失」に自民党側は勢いづく。同党県連の皆川巌幹事長は「山梨選挙区の議員なのに、県外に自宅があることに驚いた。農業振興地域整備法違反は農家の怒りを買うだろう。輿石氏は教員出身だが、子どもの手本にはならない」と皮肉った。同党県議の1人も「法律をつくる国会議員が法律違反なんてとんでもない話だ」と批判した。
公明党県本部の秋山雅司代表は「違法行為だとしたら認められるものではない」とコメントした。共産党県委員会の千葉信男委員長は「事実関係がはっきり分からないと何とも言えない」と静観の構えだ。
(読売)
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