反捕鯨団体シー・シェパード(SS)による調査捕鯨妨害事件で、東京地検は2日、傷害や威力業務妨害、艦船侵入などの罪で、SSの小型高速船元船長でニュージーランド国籍のピーター・ベスーン容疑者(44)を起訴した。捜査関係者によると、ベスーン容疑者は酪酸入りの瓶を発射したとされる傷害罪について、「当てるつもりはなかった」と否認しているという。
傷害や威力業務妨害罪での起訴により、SSによる捕鯨妨害行為そのものが、公判で裁かれることになる。
起訴状によると、ベスーン容疑者は2月11日、南極海を航行中の調査捕鯨船「第2昭南丸」に向けて刺激臭のある酪酸入りのガラス瓶を発射。酪酸を飛散させて甲板上にいた乗組員に軽傷を負わせるとともに、同船の業務を妨害したとされる。
また、同15日、水上バイクで第2昭南丸に近づき、持っていたナイフで防護ネットを切って船内に侵入したとされる。
地検はこのほか、艦船侵入時の銃刀法違反と器物損壊の罪でも起訴した。
ガラス瓶の発射について、地検はベスーン容疑者自身が実行したと断定。酪酸が船員にかかるだろうという、確実な認識があったと判断した。
東京海上保安部が3月12日、艦船侵入容疑でベスーン容疑者を逮捕。今月1日に傷害などの容疑で追送検していた。
(時事)
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