オバマ米大統領は25日、主要20カ国・地域(G20)金融サミット(首脳会合)終了後の記者会見で、イランが秘密裏に2カ所目のウラン濃縮施設を建設していた問題について、外交的解決を望む考えを示しながらも、「あらゆる選択肢を排除しない」と述べ、軍事手段の可能性も指摘した。大統領は「核兵器取得を放棄するか、(国際社会との)対立の道を続けるか選択しなければならない」と述べ、イランに強く警告した。
オバマ大統領は、10月1日にジュネーブで開かれる国連安全保障理事会常任理事国にドイツを加えた6カ国と、イランとの核問題をめぐる協議に触れ、イラン側に国際原子力機関(IAEA)による施設の査察に応じるよう迫った。そのうえで、イラン側が要求に応じない場合は、追加制裁に踏み切る可能性に言及した。
大統領は秘密核施設の発覚を受けて、ロシアや中国も査察に協力するようイランに求めたことについて、「国際社会は前例のないほど結束している。(中露両国も含め)結束するのはよくあることではない」と述べ、安保理常任理事国5カ国の連携に自信を示した。
これに関連し、米政府高官は秘密核施設について、年間1個か2個の核爆弾の製造が可能な量の濃縮ウランを生産できるとの見方を明らかにした。施設は3000基の遠心分離機を収納できる広さで、数カ月程度たてば稼働可能とみられるという。
同高官によると、秘密施設はテヘラン南西のコム近郊に数年前から建設が始まった。非常に厳重に警備され、核施設とわからないように隠蔽工作がなされていた。AP通信が入手した米情報機関の報告書によると、施設はイランの核兵器開発の中心的な存在であるイラン革命防衛隊の管理下にある軍事施設にあるという。
オバマ大統領は25日の声明で、イランには平和利用目的のための核開発の権利はあるとしながらも、「施設の規模や構造は平和目的のための計画と矛盾する」と述べ、軍事目的であった可能性が高いとの認識を示した。
(産経)
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