臨界事故の教訓について話し合うシンポジウム「JCO臨界事故から10年を迎えて」が26日、東海村舟石川駅東の「テクノ交流館リコッティ」で開かれた。臨界事故に対応した村職員や、原子力の専門家らが、事故後の原子力の安全対策などについて意見交換し、風化しつつある事故の記憶に警鐘を鳴らした。
シンポジウムは国、県、村が主催し、村民や原子力行政の関係者など約150人が参加した。当時村長として事故対応に当たった村上達也村長があいさつに立ち、「事故の影響をいかに早く払拭(ふっしょく)するかということと、教訓をいかに風化させないかという矛盾する二つのことに力を入れてきた」と振り返った。
パネルディスカッションでは、当時の国、県、村の情報共有が不十分だった点などが反省点として取り上げられた。当時、県原子力安全対策課長だった坂本憲照・げんでんふれあい茨城財団専務理事は、事故を起こしたJCOの体質について「安全がすべてに優先するという姿勢が欠落していたし、私たちも油断をしていた」と振り返り、「不都合な情報を内部処理することが大事故につながる」と力説した。
シンポジウムに参加した同村村松の寺西一夫さん(76)は、「10年の節目なので本当はJCOの社員の話も聞きたかった。事故を経験した村民として、事故を風化させてはいけないと思う」と話していた。
(読売)
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