衆院選道8区で落選した佐藤健治容疑者(52)が買収容疑で逮捕された。地元の有力政治家として11期34年にわたって務めた佐藤孝行氏(81)の次男で、前回選までは2度、自民党候補として出馬した地元政界の「御曹司」。地元関係者にも衝撃が走った。
「不徳の限りであり、おわびの言葉もありません」。逮捕から一夜明けた3日、佐藤容疑者は弁護士を通じコメントを出した。自宅などの家宅捜索に立ち会った弁護士によると、「おわび」は「身の潔白を証明できなかったことへの関係者への謝罪」といい、容疑についてはあくまで否認しているという。
道警によると、容疑は選挙運動員6人に対し、公職選挙法で認められていない報酬を渡した疑い。佐藤容疑者は、ロッキード事件で受託収賄罪による有罪が確定した孝行氏が00年衆院選で落選し引退した後、後継として出馬。03年、05年に自民公認候補として出馬したが、落選し、8月の選挙は無所属で再起を期していた。
関係者によると、選挙陣営には孝行氏の選挙を手伝ってきた支持者が加わっていたというが、無所属での出馬で政党の事務担当者が離脱。佐藤容疑者が選挙運動の大枠を取り仕切るとともに、後援会などの組織的な活動とは別に本人や一部の運動員による個別的な動きも多かったという。別の陣営関係者は「政党の応援もなく、当初から厳しい選挙を強いられていた。かなり無理したところもあったのではないか」という。
選挙運動員への報酬は、女性アナウンス係など選挙管理委員会に届け出た選挙労務者以外には認められていない。道警の調べに対し、佐藤容疑者は「事務員に支払った正当な報酬であり、納得できない」と主張しているというが、「報酬が禁止されているのは選挙運動のイロハ」と関係者も首をかしげている。
(毎日)
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