21日午前8時45分ごろ、長野県須坂市小山の長野電鉄屋代線の井上―須坂駅間の踏切内に、女児(2歳7カ月)が立っているのを普通電車(2両編成)の運転士が見つけ、急ブレーキをかけた。電車は約80メートル走り、うつぶせになった女児の上を1.3メートルほど通り過ぎて止まった。女児は額にすり傷を負っただけで無事だった。
県警須坂署の調べでは、女児は、近づく先頭車両の底部と踏切に敷かれた板の40センチほどのすき間に、潜り込むようにうつぶせに倒れ込んだ。電車が止まった時、先頭車両の車軸が約10センチまで迫っていたという。
女児は、救急隊員が駆けつける前に車両の下から泣きながらはい出てきたといい、母親に「電車が来たから(ふせた)」と話しているという。当時の状況について運転士は「急ブレーキをかけ、警笛を鳴らして衝突を避けようとした。ぶつかりそうになる寸前に倒れ込んだ」と会社に説明しているという。
現場は、終点の須坂駅の約500メートル手前。時速40キロほどに速度を落として走行中に女児に気づき、急ブレーキをかけた。同署は「もう少しブレーキが遅れていれば大事故につながるところだった。奇跡的だ」と言っている。
長野電鉄屋代線は単線。踏切の幅は約1.8メートルで、遮断機や警報機はなかった。車が通れないようにさくが設けられ、地元の人が歩いて通行しているという。女児は須坂市内に住んでおり、現場近くの祖父の家に遊びに来ていて、母親が目を離したすきに踏切内に入ってしまったらしい。列車の乗客約20人にけがはなかった。
(朝日)
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