広島訴訟弁論 和解など具体策未定
障害者が福祉サービス利用料の1割を負担する「応益負担」を定めた障害者自立支援法は違憲として、県内の障害者が地裁に起こした訴訟を巡り、国側が新制度導入などのため裁判進行の猶予を求めた24日、原告や支援者らは「解決に向けた道筋が見えた」と歓迎した。ただ、新制度の内容や訴訟の解決策がどうなるかは決まっておらず、原告らは「国の取り組みを注視したい」としている。
この日の弁論で、国側代理人の弁護士が、「連立政権で同法を廃止し、新制度を総合的に検討する」と述べ、法廷の原告らはじっと聴き入っていた。
原告側は閉廷後、広島市中区の弁護士会館で会見し、同訴訟全国弁護団の藤岡毅弁護士が、「障害者自立支援法の廃止は、私たちの訴訟運動が切り開いた大きな流れ」と話すと、約50人の支援者らから、大きな拍手が起こった。
原告の、廿日市市宮内、秋保和徳さん(58)は生後間もない高熱で脳性小児まひに。妻の喜美子さん(60)も脳性小児まひで、2人は電動車いすに頼る生活を送る。サービス利用料の1割を利用者が負担する現行制度では、月1万5000円の負担分が家計に重くのしかかるという。
国側がこの日、同法廃止を法廷で明言したことに対して、秋保さんは「原告が力を合わせた結果で、とてもうれしい」と感慨深げ。喜美子さんも、「新制度をつくる扉が開けたと感じる」と笑顔で話し、「単に以前の制度に戻すのではなく、私たち障害者が生きがいを持って生きていける制度にしてほしい」と訴えた。
一方、全国弁護団は、現段階では和解の提案などは受けていないとし、藤岡弁護士は「まだ詳細はわからず、今後も主張すべきことは主張しなければいけない」と述べた。
(読売)
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