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世の中の出来事を書き留めます
毎日新聞は7、8日、全国世論調査を実施し、参院選(11日投開票)の終盤情勢を探った。8日で発足1カ月を迎えた菅内閣の支持率は43%で、前回調査(6月27、28日)の52%から9ポイント、発足直後(6月8、9日)の66%からは23ポイントの急落。不支持率は36%(前回比8ポイント増)だった。参院選比例代表の投票先では、民主党が36%(同4ポイント減)で、自民党の17%(増減なし)を依然引き離しているものの、みんなの党が15%(同6ポイント増)まで伸ばした。菅直人首相が明言した消費税引き上げ方針に地方の反発が強まっており、民主、自民の候補が激戦を繰り広げる改選数1の選挙区(1人区)の勝敗に影響しそうだ。
「1ミリたりともぶれていませんし、1ミリたりとも後退していません」。菅首相は8日、鹿児島、熊本両市で街頭演説したが消費税問題には触れず、記者団から「方針転換か」と問われ反論した。「議論を始め、次の衆院選で国民に判断していただく。(衆院議員の4年間の)任期の間は上げないと鳩山由紀夫前首相が言ったことと私の考えは全く変わっていない」と強調した。
ただ、世論調査では消費税引き上げへの反対が53%(前回比3ポイント増)と半数を超え、賛成の44%(同3ポイント減)に9ポイントの差を付けた。発足直後は賛成が52%で反対の44%を上回っていた。この1カ月間、首相の主張は有権者に浸透するどころか、かえって反発が強まっている。地域別でみると、政令市や東京23区では賛成46%、反対51%だが、町村部では賛成35%、反対63%と賛否の差はさらに開く。29ある1人区で集計すると、賛成41%、反対55%となった。
調査では消費税問題を投票の判断材料にするかも質問。「しない」との回答が56%で、「する」の40%を上回ったが、引き上げ反対と答えた人では「する」51%、「しない」45%と逆転。賛成の人で「する」は28%にとどまり、反対派の声の方が投票行動に影響する傾向にありそうだ。
比例の投票先も反対派に限ると民主党が24%に減り、みんなの党が18%で自民党の17%を上回った。賛成派では民主52%、みんな13%。一時は失速気味だったみんなの党が消費税反対派の受け皿として再び上昇気流に乗った格好だ。一方、反対派の多い地方の1人区では、民主党候補の間に「逆風」を懸念する声が強まっている。
8日の鹿児島市の街頭演説会場では、民主党鹿児島県連の川内博史代表(衆院議員)が首相到着前に「首相が言わなくてもいいのに消費税(引き上げ)と言った。すみません」と支持者に陳謝した。1人区の鹿児島、熊本で消費税に触れなかった首相は同日夕、神奈川県(3人区)の川崎市では「消費税の『し』の字を言っただけで首が飛んだ首相が3人ぐらいいる。それで日本の経済が立ち直ったわけではない」と財政再建の必要性に言及。地方と都市部で演説を使い分けている。
参院選では民主党と国民新党の連立与党が非改選の66議席と合わせて過半数となる56議席を獲得できるかが焦点。与党過半数割れとなれば、野党の協力なしに法案を成立させられなくなるため、民主党からみんなの党や公明党に秋波を送る発言も目立ち始めた。みんなの党の渡辺喜美代表は「民・みん連立」を繰り返し否定。公明党は政策協議に応じる可能性は否定していないが、山口那津男代表は8日、「政権運営が行き詰まっていると率直に表現できないから、そういう発言になる」と皮肉ってみせた。