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世の中の出来事を書き留めます
20日午後5時5分ごろ、北海道石狩市浜益区毘砂別(びしゃべつ)の国道231号の送毛(おくりげ)トンネル(全長1901メートル)内で、留萌市方向に向かっていた札幌市西区山の手7の6、小島武雄さん(53)の大型トラックが、対向してきた石狩市浜益句柏木、入江一尋さん(60)運転のマイクロバスと衝突。さらに後続のレジャー用多目的車(RV)がバスの後部に追突した。この事故で小島さんと入江さんが全身を強く打って死亡、乗客ら5人が骨折などの重傷、32人が軽傷を負った。
北海道警などによると、バスは札幌市北区の町内会老年部が借りたレンタカー。50~90代のメンバーがサクランボ狩りなどの日帰り観光から帰る途中で、乗客全員が負傷した。トラックは札幌市内に本社がある運送会社の所有で、郵便物を運んでいたという。RVは石狩市内の男性(29)が運転し、同乗の妻(32)と娘(2カ月)が軽傷を負った。
トンネルは片側1車線の直線で、留萌市側から約200メートル進んだ地点で事故が起きた。トラックが中央線を越えて対向車線にはみ出し、バスと衝突したとみられる。現場のトンネルは午後10時15分まで通行止めになった。
北海道内では今月17日、足寄町の道道で48人乗りの大型観光バスが対向してきたオートバイとの衝突を避けようとして路肩に転落して横転する事故があり、41人が重軽傷を負った。5月20日にも大空町の町道交差点で乗用車が観光バスと出合い頭に衝突し、17人がけがをする事故が起きている。【金子淳、今井美津子】
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現場の送毛トンネルでは、事故から4時間近くがたった午後8時50分ごろ、ようやくレッカー車でトラックとマイクロバスが運び出された。何かが燃えているようなにおいがトンネルの出入り口に漂う。トラックは前部が激しくひしゃげ、バスも内部の各座席シートがバラバラに倒れて、衝撃の大きさを物語っていた。
バスに乗っていたメンバーのうち、骨折したりガラスで腕を切ったりした28人は、近くの石狩市浜益国保診療所に搬送され、その後に札幌市東区の札幌東徳州会内の病院に移った。同病院の医師は「後部座席にいた乗客は、トラックに気付かず身構えていなかった分、前方に飛ばされていた。シートベルトをしていない人も多かったようだ」と話した。
乗客の札幌市北区、三井徳子さん(79)は「ぶつかった時はすごい衝撃で、気付いたら三つぐらい前の席まで飛んでいた。周りの人たちは血だらけだった。後続の車の若い男性が助けに来てくれ、バスの窓から逃げた」と事故の様子を生々しく語った。
別の男性(74)は「補助席に座っていたら、前から迫ってくるトラックのライトが見えた。気付いたら別の座席の下に足がはさまっていた。姿が見えない人もおり『大丈夫か』と叫び声が飛び交った。せっかくの旅行が台無しになった」とため息をついた。